グラマティクス英語塾
Grammaticus English Academy
FAQ
英文法の感覚の中には、自分で英語にすることによってしか身に付きにくいものも多くあります。
例えば、下記の2つの問題を中1に解かせる場合、和訳か英訳かでその難易度は全く異なります。日本語にするのに苦労する生徒はほとんどいませんが、英語にするとなると、かなり出来が分かれます。それは "読んでいます" という日本語だけからは、現在形を使うのか現在進行形を使うのか判断できず、文法的にそれらが何を表すことができるのかを判断する必要があるからです。
(1) He reads a book every morning. ⇆ 彼は毎朝本を読んでいます。
(2) He is reading a book. ⇆ 彼は今本を読んでいます。
こういった側面を中学生のうちにおざなりにしていては、英語を正確に生み出すことはできませんし、解釈する上でも感覚が甘くなってしまいます。
最初は簡素化したルールで指導し、易しめの問題で成功体験を積ませることも、確かに一つの有効な方法です。 しかし私の経験上、英語という教科は「気づいたときには出来なくなっている」生徒が非常に多いのが現実です。その中には、他教科で高得点を取っている生徒も含まれます。
その主な原因は、英語のルールに対する理解の甘さ、そしてその甘さに自分で気付くのが遅いことにあると考えています。
だからこそ私は、英語学習を簡単に見せかけるのではなく、むしろ中学生の段階から、英語の本質的な難しさに正面から向き合うことを重視しています。
たとえ学習初期に多少の難しさを感じたとしても、その段階でしっかりと向き合い、言語の仕組みを理解していくことが、結果的に長期的な成功につながると考えています。
簡単なルールだけで表面的に乗り切るよりも、深い理解を優先すること。それが、大きな躓きを未然に防ぎ、長く使える本物の英語力を育てることができると私は信じています。
一時的に点数を上げるテクニック的な指導よりも、本質的な理解と再現性のある力を身につけるということです。表面的な暗記や解法パターンに依存せず、自力で考えられる土台を作る指導方針です。
例えば中2の定期テストの点数を上げるだけでいいのであれば、下記のように受動態を能動態に書き換える(またはその逆)のような指導でもいいのかもしれません。
(1) John read the book last night. ⇢ The book was read by John last night.
一方で実践的な話をすれば、この受動態の文が自然に使われるのは、本が話題の中心であったり"誰によって" が重要であるような場面のみです。
(2) Each student was assigned a different chapter. The book was read by John last night, while Mary is scheduled to read it next week.
むしろ行為者 (by ~) が重要でないような場面で受動態が使われる場面の方が多いので、書き換えるという練習形式はかなり無駄が多いと言わざるをえません。むしろ下記の英作文などをやった方が実践的です。
(3) その窓は今朝割れていた。
The window was broken this morning.
(The window broke this morning.)
私は、「1回1回の授業で完璧を目指す」という姿勢こそが大切だと考えています。
英語という教科は、一度理解すれば終わりではなく、むしろ「理解したことを定着させる」ことこそが最大の難しさです。
どれほどしっかり取り組んでいても、一度やったくらいでは忘れてしまいます。だからこそ、「週単位で一度は完璧に仕上げる」という強い気持ちで学ぶことが必要だと考えています。
無論、その時に完璧にできなくても結果的に上手くいくことはあります。しかし、「今はまだ完璧じゃなくても良い」と甘く考えると、本来理解できるはずだった内容までおざなりになりやすいのです。
生徒に「必ずその場で全てを理解し切らなくてはならない」と、過度なプレッシャーをかけるつもりはありません。ただ、「どうせ繰り返すから今は適当でいい」という考え方は排除したいと思っています。適度な緊張感を持ち、毎回の授業に真剣に向き合う姿勢こそが、最終的に安定した英語力の定着につながるはずです。
私は、学習方法に「理由」と「納得感」があることを大切にしています。というのも、「とりあえずやってみる」「よく分からないけど頑張る」といった学び方では、継続のために相当な忍耐力が必要になるからです。
もちろん、理論に裏打ちされた方法でなくても成果を上げる生徒はいますし、そうした方々が自分のやり方で学びを続けていくことに、何ら問題はありません。
ただし、学習法に根拠を全く持たなくなってしまうと、一部の教科では通用しても、他教科で成果が出にくいこともあります。また、「確信が持てないまま取り組んでいること」が、頑張りきれない原因になってしまうこともあります。
だからこそ私は、「なぜ今この課題に取り組むのか」「どうすればできるようになるのか」といった根拠を持って学べるよう、環境づくりや声かけを大切にしています。
授業内では文字ベースの技能を中心に指導いたします。音声技能は生徒ごとのレベル差が大きく、また運動を習得するのに似た側面もあるため、個人で取り組んだ方が効率的です。ただし音声での復習は重要と考え、音声教材の提供や家庭での取り組み方法は丁寧にご案内しております。
当塾は入試対策に特化した塾なので、定期テスト対策は行なっていません。ただし、推薦入試等で成績が重要な場合は、個別にご相談いただければ、適切な勉強法やアドバイスを提供することは可能です。ただし、高校のテストになればいずれ試験も実践化することも考えると、英語の実力を上げるような勉強は推薦入試を目指す方にとっても重要であると考えています。